発覚〜入院

うちの次男は生後一ヶ月で(上の子はこの頃一歳半)なんだか少し普通の赤ちゃんよりおなかが大きいな・・と思ってましたが赤ちゃんは大抵おなかがでてるもんだから・・・と思ってました。(今思うともっとはやく病院にいくべきでした・・ごめんね)
一ヶ月検診で産婦人科の先生に肝臓が腫れていることと貧血があることを指摘され、今日はもう遅いので明日朝一で県内で有名な総合病院の小児科にいくことをいわれました。
まさかとゆう思いがあったので、その日はなかなか眠れずもし大変な病気だったらどうしようと考えると涙がでたりしました。

次の日朝一に総合病院に行くと、貧血状態であることと、お腹の張りは肝臓が腫れているのではなく、腫瘍であることを指摘され、手術が必要になるのでここでは対処できない、小児外科のある大学病院に今すぐ行くよう言われました。
大学病院?!!ちょうどその頃【白い巨塔】がテレビで盛り上がってる真っ最中で大学病院に良い印象はなかった時だったのでとてもイヤでしたがそんなことはいってられずタクシーをとばして行きました。
主人は仕事でいないし、上の子を母に見ててもらってたので一人で本当に不安でした。
タクシーの中で主人に今すぐ来てくれと電話しました。
病院に着いて小児外科の外来へ。
そこでいわれた事は、まちがいなくお腹の張りは腫瘍であり、おそらく九割悪性であること、即入院で半年〜一年かかると言うことでした。
ちょうど主人の転勤と重なり、上の子ともはなれて友達も親戚もいない所で次男と私は病院に入院することになりました。

入院中〜手術

肝臓からでている腫瘍だけどAFP値(腫瘍マーカーといって、悪性腫瘍の場合この値が急激に上がります。)が正常な為、お腹の腫瘍は何かわからない状態でした。
当初、DIC(播種性血管内凝固症候群)と言う状態で非常に出血しやすく血もとまりにくく腫瘍もどんどん大きくなっていたので、生検(少し腫瘍を取って検査する)と言うこともできず、いきなり手術の話になりました。

しかし、あまりの腫瘍の勢いで手術をするには危険な状態になってしまいました。
個室にいましたが、数日後、呼吸状態が悪くなりました。一時期サチュレーション(血中酸素濃度)が90をきったのと、出血しやすい状態だったので脳内出血かもしれないといわれいそいで検査することに。
私たちが入院していた個室に次々とたくさんの先生達が早足で入ってきます。
私と主人は部屋の外にだされました。
心電図のぷるるる・・ぷるるるとゆう音が外まで聞こえてきて震えがとまりませんでした。
CT検査室に移され、待つ間は生きたここちがしませんでした。このときはほんとに障害が残ってもいいから命だけは助けてくれと思いました。待つ間の15分が30分にも一時間にも感じられるくらい長かった。
そしてCTの結果、肺に二酸化炭素がたまっていたために呼吸が悪くなっただけとのこと・・・。出血はしていませんでした。よかった・・!!このときのことは一生忘れられないと思います。

しかしやはり腫瘍が圧迫していて本人も呼吸がつらいとのことで入院一週間後にNICU(簡単にゆうとICUの赤ちゃんバージョン)に移されました。
呼吸器で本人の呼吸を助けてあげるのです。

おもえばこの時期が一番つらかった。ちかくのファミリーハウス(一泊800円でとまれる家です。)でお世話になっていましたが、一日30分の面会時間以外することもなく、ファミリーハウスに帰っても広い家に自分だけだし。しかも敵が何かわからないまま手探りでの治療が続いてました。
毎日のようにネットカフェに行っては、病気のことを調べたり、実際に小児ガンのこをもつママにメールしたりしてました。
そして一ヶ月半のNICU生活後、ようやく手術となりました。

三時間の手術でした。手術を終えて先生がにこにこして無事おわりました!と言ってくれた時はほんとうにうれしかったです。そのとき「そんなに悪いものではなさそうですよ!」といってくれました。
ICUそして観察室にうつりました。
敵の結果〜退院

数日後、検査の結果、主治医の先生が「良性でしたよ!血管腫です。」といってくれたときはほんとにうれしかった。と言うより信じられませんでした。手術後、そんなに悪い物ではない・・と言う言葉は、悪性だけどタチの悪い物ではないと言う意味でとらえてたので、ええ!!??マジですか?!!って感じでした。

それまでさんざん泣いて泣いてそれでも小児がんと戦う覚悟もして、退院後の通院のことも考えてNICUにいる間にと運転免許までとりました。入院は半年になるんだろうか・・・一年はかかるだろうなあ・・とか。
それが良性!がんじゃなかったの?!・・となるとあとは本人が回復すれば退院できます!本当に夢にようでした。

そしてICUから病棟の観察室を経て大部屋にもどることができ四ヶ月の入院生活を終えて無事元気に退院できました。

入院中長い間呼吸器をつけていたので鎮静の影響かわかりませんが退院直後は目に眼振がありましたが今は治ってほとんどなくなりました。
大学病院について

私は入院するまで大学病院に良い印象はなかったですが、入院した病院は先生も看護婦さんも本当にとてもよかったです。
初めて外来に行って一度しか話したことない先生とNICUで会った時、誰のお母さんかもわかんないだろうな・・と思いつつ、会釈すると、私のことを覚えてくれてて色々主人の転勤の事や子供の状態のことも言ってくださったことに驚きました。

即日入院が決まって、別室で泣きじゃくる私が入ってきた看護婦さんに「腫瘍なんかできてなおりますか?」ときいたら、軽く「なおりますよ。おかげさまで二十歳になりました〜って手紙がきたり元気に走り回ってる子もいっぱいいますよ。なおりますなおります」と笑顔で励ましてくれた時はほんとに救われました。

主治医の先生方は夜遅くまで残っている姿をしょっちゅう見かけました。気になる事はいつでもきいてくださいとしつこい私にもイヤな顔せず話ししてくれました。お腹の端から端までの大きな傷を時間をかけて丁寧に内側に縫い目をいれてきれいにしてくれたことも感謝しています。
次男の現在

今次男は四ヶ月入院していたのにもかかわらず、標準くらいの大きさ(よりはでぶ??)だと思います。
小児科も外来のときいっしょに受診させてもらってますが、四ヶ月入院していたにもかかわらず特に発育が遅れているわけでもなくむしろ活発なほうだとのことで安心です。
上の子も一時は母親と離れ不安定でしたが下の子が大好きみたいでかわいがってくれます。・・・でもたまに喧嘩してますが・・・。

まだ生検がされてないとき、こうゆう状況のこうゆう出方の腫瘍は九割九分悪性と言われても良性でした。データはデータでしかないんですね。
うちのように、もしも九割助からないといわれても1%が起こす奇跡もあるって思って欲しいです。
良性と悪性の違い

ちなみに良性悪性の違いは簡単に言うと、良性はとってしまえば治る、悪性(小児がん)は転移する可能性があるので術後も化学療法が必要だったり、病気の種類にもよりますが放射線治療をしたりすることもあります。
しかし小児がんと言ってもいろんな種類の病気があり、その病気の中でもいろんなタイプがあります。
神経芽腫のマススクリーニング検査、生後六ヶ月でおしっこを採って送付したことがあるかたもいると思いますが、あの検査は2004.4月に廃止になりました。
あの検査では神経芽腫とゆう小児がんが早期発見できるのですが、生後六ヶ月でみつかる神経芽腫はほっといても治るタイプが多いとゆうことがわかったそうです。
仮に転移してても原発巣も転移巣も自然消失し、なおっていくなんとも不思議なタイプなので、過剰治療ではないかとゆうこと、異常なしと診断されても一歳すぎてから悪性度の高いタイプを発症することがあること、死亡率が検査によって改善されていないことで検査自体廃止になったみたいです。
希望があれば任意では受けられるとおもいますので病院できいてみてください。
最後に

今では小児がんは治る病気です。
それでも病気の子を持つお母さんはみんな細い糸をぴんと張ったような精神状態で入院中をすごしています。
うちの子が小児がんでないとわかった時一番よろこんでくれたのは実際小児がんの子をもつママたちでした。
「今までの心配はすべてとりこし苦労ですよ!!ほんとうによかった!!」と。

わたしは自分の友達には子供の病気のことは誰一人伝えていませんでした。
退院後、はじめて伝えた人の中にポロっと「うちじゃなくてよかった〜」みたいなことを言ったやつがいました。
正直言葉が悪いですがオマエが病気になれと思うくらいそのときは腹がたちました。
本人は何も悪気はないのです。
ほんとにただポロっとゆってしまっただけなんです。
私だって子供が病気にならなければこう思ったかもしれない。
だけど「うちじゃなくてよかった」とゆう言葉はどんな病気の子でもその子やそのママの前では言うな!!
言葉を裏返せば「うちじゃなくてあんたのとこのこでよかった」って聞こえるんだよ!
うちの子は肝血管腫とゆう病名で非常に稀でした。
確立的には何万分の一とか何十万分の一とか・・そんなことはしりませんが、その確立を埋めるのがうちじゃなくてあんたんとこの子でよかったって聞こえるんだよ!

同じ時期に入院していた子で、退院して元気にしてる子、病院でまだ闘病中の子、そして残念ながら亡くなってしまった子もいます。
病気になったのが自分の子じゃなくてその子らでよかったとはわたしは絶対思わない!!
小児がんはほとんんどが遺伝子の突然変異でだれでもおこりうること。
現在元気にしててもいつそんな病気になるかだって誰にもわからないんです。
お酒を毎日ありえないくらい浴びる様に飲んだ人が肝臓がんになったわけでもタバコを一日100本何十年も吸っていた人が肺がんになったわけでもないのです。なんでこの子が?なんでうちなの?病気になった子の親は誰だって思うと思います。
大人の病気でもそうですが、いくら健康に気をつけて生活していても重い病になる人だっています。
罪のない子が病気になってがんばって治している、特に大学病院にはいろんな重い病気の子がいます。
いやいや、病気の重い軽いも関係なしにそうゆう無神経な言葉はいろんな意味で腹がたちます。

今も今年は三ヶ月に一度、来年からは年一回の通院になります。
それでも通院で通う途中、だんだん大学病院に近づいてくるといろんな思いが交差するのです。

はやく子供たちの病気がこの世からなくなってほしい、医学の進歩を願わずにはいられません.